一般財団法人日本ファッション協会(JFA)はこのほど、「日本クリエイション大賞2021」の選考結果を発表した。同賞は、製品、技術、芸術・文化活動、地域振興、環境、福祉など、ジャンルを問わずクリエーティブな視点で生活文化の向上に貢献し、次代を切り開いた人物や事象などを表彰するもの。今年度は、112件の推薦案件の中から、大賞1件と「オンリーワン技術賞」「福島から未来へ賞」「水産業革新賞」の3件を選考した。
大賞に輝いたのは、テルモ株式会社(東京都渋谷区)。同社は「スペインかぜ」が流行した1921年に、第1次世界大戦の影響で輸入が途絶えた体温計の国産化を目指して設立。100周年を迎えた2021年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行する中、治療に大きな役割を果たす医療機器で同社が国内シェア7割を持つ「体外式膜型人工肺(ECMO)」の需要の増加にいち早く増産体制を取った。またカテーテル治療において手首の血管から挿入するTRIを普及させるなど、医療を通じて長年社会に貢献していることが評価された。
「オンリーワン技術賞」には、世界最高水準の研磨技術を持ち、探査機「はやぶさ2」が採取した物質を収容したサンプルキャッチャーの精密研磨を手掛けた株式会社ティ・ディ・シー(宮城県利府町)、「福島から未来へ賞」には、福島の森林再生と林業振興、脱炭素社会の実現へ向け、県産のスギなどから集成材を生産する株式会社ウッドコア(福島県浪江町)、「水産業革新賞」には、漁業の復興と変革を目指す若手水産事業者の団体、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(宮城県石巻市)が選ばれた。
また、同時に発表された「第19回シネマ夢倶楽部表彰」では、ベストシネマ賞第1位に「ファーザー」(フロリアン・ゼレール監督、20年、イギリス、フランス)、第2位に「ノマドランド」(クロエ・ジャオ監督、20年、アメリカ)、第3位に「由宇子の天秤」(春本雄二郎監督、20年、日本)、および「護られなかった者たちへ」(瀬々敬久監督、21年、日本)が選ばれた。
日本クリエイション大賞の詳細は、こちらを参照。
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