経済産業省はこのほど、2021年5月に策定した無電柱化推進計画(国土交通大臣決定、計画期間:令和3~7年度)に基づき資源エネルギー庁、国土交通省、総務省と連携して実施した新設電柱の増加要因の調査・分析の結果を踏まえた対応方策を取りまとめ、公表した。計画は「新設電柱を増やさない」「徹底したコスト縮減」「事業のスピードアップ」を基本方針に、21年度から25年度までの5年間で「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための加速化対策」で着手する約240キロメートルも含め、4000キロメートルの無電柱化を目指すというもの。調査・分析は、21年4~12月に実施した。
調査によると、9カ月間の電柱の新設および撤去状況は、新設約16・7万本(電力柱約10・6万本、通信柱約6・1万本)、撤去約13・4万本(電力柱約6・6万本、通信柱約6・8万本)。電力・通信合わせて約3・3万本増加した。電力柱約10・6万本のうち供給申し込みや再生可能エネルギー発電設備への接続に係るものが約5・2万本で、約8割が個別の家屋新築などに伴う供給申し込みによるもの。新設場所は民地約8割、官地約2割だった。
この結果を踏まえた対応策として、新たな供給申し込みに対しては、①施工法の効率化や無電柱化に係るコストの削減(ケーブル、機器などの標準化と共同調達など)、②費用負担の見直し、③普及啓発などについて、それぞれ具体策を提示。再エネ発電所の建設に伴う電柱新設については、太陽光発電など発電設備の分割規制を強化、道路については、緊急輸送道路全線において新設電柱の占用制限措置を行うなどを提示した。
また、既存電柱の削減のためには、電柱の効率的配置による削減や、電力線と通信線の共架を推進する、自治体や事業者による小規模開発の無電柱化事例を、新たに数戸の住宅開発を行う事業者に対しPRするなどの対策をまとめた。
詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220420001/20220420001.htmlを参照。
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