PROFILE
全国各地で地域の未来のために励むYEGメンバーを紹介するコーナー。8月号は上野YEGの平井理考さん。「伊賀くみひも」ブランド普及のため全国を飛び回る平井さんにお話を伺いました。
―ITから伝統産業へと転身されています。
結婚を機に入社したのですが、組みひものことをほとんど何も知らず、四代目に一から教わりました。
―その組みひもについて教えてください。
発祥は奈良時代以前にさかのぼり、仏具や武士の甲冑(かっちゅう)・刀の紐(ひも)として使われてきました。明治以降は帯締めなど和装小物の用途が主となっています。伊賀の地は手で組み上げる手組みひもが有名で、一時は国内生産の大半を占めていました。
―伝統工芸を継承するに当たり大事にされていることは何ですか。
和装に限らず、近年はどのような場面でも使っていただけるよう、ストラップやイヤリングなどのオリジナル製品も多数製作しています。また、2016年の伊勢志摩サミットの時にはパールと組みひもを合わせた商品をつくりました。技術の継承はもちろんですが、このように新しいものを常につくり続ける姿勢を大切にしています。
―販売方法へのこだわりは?
ネット販売にも力を入れていますが、一方で組みひもは実際に触らないと硬い柔らかいや、締め心地などが分かりません。各地での実演販売や、本店や伊勢の店舗で商品を手に取って見てもらうということは、これからも続けていきます。
―今後の展開や目標を聞かせてください。
国内各地の伝統工芸品とコラボした作品づくりを充実させていきたいと思っています。また、組みひもの魅力や可能性をより多くの方に伝えられるよう情報発信にも工夫をし、組みひもを通じて伊賀や伊勢の地に来ていただくことによって地域に貢献できればうれしいですね。
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