鈴鹿YEGは、2017年から子どもたちに向けた「おしごと体験」事業を実施しているが、昨年はコロナ禍により一旦開催が延期となった。その後、災禍でのYEG活動から学んだハイブリッドの手法を駆使し、新たなスタイルでの開催にこぎ着けた。
YEG会員企業による「おしごと体験」
鈴鹿YEGは、2017年に40周年記念事業の一環として、子どもたちに同市の仕事を知ってもらいたいと「おしごと体験」事業を初開催した。以降継続してきた同事業について、会長の岡田基紀さんに伺った。
「県内有数の工業都市である鈴鹿市は、モノづくりが地元産業を支えています。そのモノづくりのスピリットと魅力を子どもたちに伝え、鈴鹿に生まれた喜びと誇りを感じてもらいたいとの思いを形にしたのがこの『おしごと体験』事業でした。内容はYEG所属会員企業を中心とした体験型事業となっており、単に仕事を見聞きするだけではなく、実際の店舗で職業を体験できるところが好評です」
オンライン開催という選択
19年の第3回開催には来場者が5000人を超え、地域市民が大きな期待を寄せていた事業だが、コロナ禍のあおりを受け20年は中止となった。昨年も8月に開催する予定だったが、県の緊急警戒宣言を受け、延期を余儀なくされた。
「子どもたちへの感染リスクを考えると、リアルにこだわる事業形態では中止もやむなしとの声も聞かれました。しかし鈴鹿YEGには、このような状況の中でもWEBツールを駆使し、講演会や勉強会などの開催を続けてきた経験と実績があります。そこで培った知識がオンライン開催へ踏み切る背中を押してくれました」
仕事の魅力や思いを届ける
11月に延期となった開催日当日、メンバーが参加する子どもたちの自宅に、材料や名札、Zoomでの参加方法を記載した説明書などを届けた。 「こだわってきたリアルな体験を実現するために、例えばお花屋さんからは鉢植えのキットを、おすし屋さんからはネタとシャリを自宅に届け、それぞれの事業所からLIVE映像を配信しました。出来上がった料理や商品を家族に喜んでもらって、お客さまのために思いを込めて料理や商品をつくること、それが仕事の魅力だということを伝えられたと思います。また保護者からも子どもたちの頑張りに対する感動や、中止せずに開催したことへの感謝の言葉もいただきました」
夢と希望を与える事業をつくりたい
本年度45周年を迎える鈴鹿YEGは、9月に東海ブロック大会の開催も控え、七つの委員会が日々精力的に活動している。最後に今後について岡田会長は、「私たちは中小企業の集まりで、地元商工業の発展を目指して活動しています。この『おしごと体験』のような事業を通じて、私たちのことを地域の人々に知ってもらうのはもちろん、子どもたちへ夢と希望を与えられる事業をつくっていきたいと思います」と、力強く語ってくれた。
【鈴鹿商工会議所青年部】
会長:岡田 基紀
設立:1977年
会員数:105人
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