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現代に息づく職人技 「練り込みの茶碗」

製法上、内側にも同じ模様の出る練り込みの器は、手描きの絵付けとは異なる独特のゆがみも魅力のひとつです 撮影:加藤正博

今月は、練り込み技法を用いた瀬戸焼の茶碗をご紹介します。

瀬戸地方での陶器の生産は、諸説ありますが、古くは鎌倉時代までさかのぼるといわれています。瀬戸の粘土は白く、鉱物の色がしっかりと出るため、さまざまな色柄を表現できるのが特徴です。

「練り込み」とは、色の異なる陶土を練り合わせて模様をつくる技法。まず、鉄やクロム、コバルトなどの鉱物を混ぜ、色を付けた陶土を数色用意します。その色土をスライスし、板状にし組み合わせて模様を作成。出来た模様を崩さないよう成形して焼き上げ、ようやく練り込みの器が完成します。

水野教雄陶房の二代目・水野智路(ともろ)さんは、この伝統的な技法を祖父と父から受け継ぎ、現代風のポップなデザインを取り入れた作品づくりをしています。若手陶芸家ならではの柔らかな感性を生かした作品からは、幅広い世代に受け入れられる、普段使いの陶器をつくりたい、という智路さんの真摯(しんし)な思いが伝わってきます。

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