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現代に息づく職人技 「阿波遊山箱」

時を超えた地域資源として復活しつつある遊山箱。カラフルでかわいらしいデザインが好まれています 撮影:加藤正博

今月は、三段重ねの子ども用弁当箱、阿波遊山箱(ゆさんばこ)をご紹介します。

遊山箱は、江戸時代後期ころから、桃の節句、端午の節句などの際に野山に出掛ける子どもたちの弁当箱としてつくられ、徳島県内で広く使われていました。少量しか入りませんが、空になると近所の家にお願いして、料理や菓子を詰めてもらうことができたといいます。しかし昭和に入り、プラスチックの弁当箱が一般的になるにつれ、次第にその姿を消していきました。

現在、江渕鏡台店(えぶちきょうだいてん)をはじめとした有志と徳島商工会議所が中心となって、遊山箱を復活させるために活動しています。とても小さなつくりですが、ヒノキを用い、指物(さしもの)・杢張(もくは)り・カシュー塗りといった家具づくりの基本となる技術を必要とするため、見習いの職人が訓練を兼ねて制作しています。

地域ぐるみで子どもを見守り、育んできた徳島の伝統を象徴する遊山箱。近年では小物入れ、アクセサリーケースとして利用されるなど、再び静かな広がりをみせています。

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