国土交通省観光庁は9日、交通政策審議会観光分科会を開催し、2023~25年度までの新たな観光立国推進基本計画の素案を提示した。今年3月末までに閣議決定を目指す。観光立国の実現に関する目標については、質の向上を強調するとともに、コロナ禍の収束見通しが不透明なことなどから「人数に依存しない指標」を中心に設定。今後の観光政策の方向性については、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の三つのキーワードに特に留意し、大阪・関西万博が開催される25年に向けて「持続可能な観光地域づくり戦略」「インバウンド回復戦略」「国内交流拡大戦略」の三つの戦略を総合的かつ強力に推進していく。
「持続可能な観光地域づくり戦略」では、地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化に向けた宿泊施設のリノベーション支援、観光DX、高付加価値な旅行商品の造成など観光産業の革新、観光人材の育成・確保、DMOを司令塔とした観光地域づくりなどを推進。25年までに「日本版持続可能な観光ガイドライン」(JSTS‐D)に沿った取り組みを行う地域を現在の?地域から100地域に増やす目標を掲げた。
「インバウンド回復戦略」では、インバウンドの回復に向けた集中的取り組みや受け入れ環境の整備に加え、消費拡大効果、地方誘客に効果の高いコンテンツの整備とともに高付加価値旅行者の誘致を促進。また、MICE・IRの推進、戦略的な訪日プロモーションの実施にも取り組み、インバウンド旅行消費額5兆円の早期達成、訪日外国人旅行者数の3188万人(19年実績)超えを目指す。訪日外国人の旅行消費額単価については、19年比25%増の1人当たり20万円に設定。1人当たりの地方部宿泊数は同10%増の1.5泊にする目標を定めた。
「国内交流拡大戦略」では、国内旅行需要の喚起、新たな交流市場の開拓とともに、引き続き、旅行需要の平準化も促進。国内旅行消費額20兆円の目標の早期達成を目指すとともに、25年には30年目標(22兆円)を前倒しで達成することも掲げた。
詳細は、https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/kanko02_sg_000001_00009.htmlを参照。
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