東京都台東区浅草橋に所在する鮒佐は1862(文久2)年創業で、160年以上の歴史を有する。初代大野佐吉は、元は下総国(しもうさのくに)の武士で剣豪・千葉周作の道場に通うほどの腕前だったが、幕末で世間が変わりゆく中、武士を辞め、商人として生きることを決意する。そんな中、江戸近郊で最大の宿場町といわれた「千住宿」で出会った名物「鮒のすずめ焼き」(小鮒を背開きにして串に刺し、しょうゆベースのタレをつけて炭火などで焼いた料理)を江戸市中で売るとたちまち評判になり、「鮒屋佐吉」と呼ばれるようになる。
またある日、隅田川で釣りをしていた佐吉は暴風雨に遭遇。漂着した佃島で漁師めしの「雑魚の塩煮」(「佃」島の塩「煮」で「佃煮」という)を知る。感銘を受けた佐吉は、その具材を、当時大変高価だった下総のしょうゆを使って種類ごとに煮込むという画期的な製法を生み出し、これが同社の佃煮の原型となる。
この『一子相伝』の製法は初代佐吉の名前とともに口伝で継承され、令和の今も職人に頼ることなく、五代目大野佐吉さんは、今日も自ら釜場に立つ。
同社の大野真徳さんは「当社の佃煮は、江戸っ子好みのすっきりとした味わいが特徴で、昆布、しらす、あさり、ごぼう、エビの5種類の詰め合わせがお勧めです」と秘伝の味を強く推す。
お問い合わせ
株式会社鮒佐
所在地 : 東京都台東区浅草橋2-1-9
電話 : 03-3851-7043
