日本・東京商工会議所はこのほど、「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」結果を公表した。調査対象は、全国47都道府県の中小企業6013社。回答企業数は3308社で回答率は55.0%だった。
調査結果によると、2023年度に「賃上げを実施予定」と回答した企業の割合は58.2%となり、昨年同時期(45.8%)から12.4ポイント増加。そのうち、「業績の改善がみられないが賃上げを実施予定(防衛的な賃上げ)」は62.2%で、昨年同 時期(69.4%)から7.2ポイント減少した。
23年度の賃上げ率については、近年の中小企業賃上げ率(2%弱)を上回る「2%以上」とする企業は58.6%。足元の消費者物価上昇率をおおむねカバーする「4%以上」の賃上げを実施予定の企業は18.7%だった。
賃上げの内容は、「定期昇給」が76.1%で最多。「ベースアップ」(40.8%)、「賞与・一時金」(30.2%)の回答は前年 同時期に比べて増えている。
賃上げを予定している理由は、「従業員のモチベーション向上」(77.7%)が最多で、「人材の確保・採用」(58.8%)が 続く。また、「物価上昇への対応」(51.6%)は昨年同時期から26.7ポイントの大幅増となっている。
中小企業が自発的・持続的に賃上げできる環境整備のために必要な支援策については、「景気対策を通じた企業業績の向上」が43.5%で最多。次いで、「取引価格の適正化・円滑な価格転嫁」(41.1%)、「税・社会保障負担などの軽減」 (39.1%)、「助成金の拡充・使い勝手の向上」(32.8%)が3割を超えた。
最低賃金の2023年度改定への考えについての設問では、「引き上げるべき」と回答した企業は42.4%(うち、「3%以内」 30.1%、「3%超」12.3%)で、「現状維持」は31.5%、「引き下げるべき」は2.2%だった。
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