日本商工会議所と大韓商工会議所は9日、「第12回日韓商工会議所首脳会議」を韓国・釜山で開催し、両国の経済協力などについて意見交換を行った。2017年7月に北海道富良野市で開催以来6年ぶり。両所首脳は、日韓両国の共通課題解決、幅広い交流による相互理解深化、25年大阪・関西万博の成功、30年釜山万博開催実現などで協力することなどを盛り込んだ共同声明「釜山宣言」を採択した。
会合には、日本側から日商の小林健会頭はじめ、鳥井信吾副会頭(大阪・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、谷川浩道副会頭(福岡・会頭)、野本弘文特別顧問(東京・副会頭)、田川博己特別顧問(東京・副会頭)、岩本敏男デジタル化推進専門委員長ら27人、韓国側から大韓商工会議所の崔泰源(チェ・テウォン)会長ら28人が出席。両国の「経済情勢」「企業間協力」などのテーマで意見交換をするとともに、両国商工会議所が取り組む事業の紹介なども行った。
小林会頭は開会のあいさつで、「コロナによるパンデミックの危機を乗り越え、また、戦後最悪とも呼ばれた日韓関係も両国政府の努力により正常化され、本首脳会議を6年ぶりに再開にこぎ着けることができた」と強調。少子高齢化、経済安全保障、カーボンニュートラル、デジタル化など、両国間で共通する社会課題に触れ、「日韓の企業がお互い知恵を出し合って、未来志向の経済協力を推し進めていくことが肝要」との考えを表明した。
一方、崔会長は、「日韓関係は両首脳によるシャトル外交が12年ぶりに再開されるなど重大な時期を迎えており、いつにも増して協力が必要な時期である」と指摘。また、自身が2030年釜山万博の官民共同誘致委員長を務めていることに触れ、「大阪・関西万博の開催と釜山万博の誘致を機に多様な分野で交流が活性化し、相互理解が深まることを切に願っている」と両国関係の深化に期待を示した。
首脳会議では、両国商工会議所の相互協力の促進などを盛り込んだ共同声明「釜山宣言」を採択。「少子高齢化に伴う人口減少」「経済安全保障を踏まえたサプライチェーンの再構築」「カーボンニュートラル」「AIガバナンス構築」「サイバーセキュリティ」「デジタル化」「スタートアップ支援」など共通の課題解決に協力して取り組む方針を示した。
また、経済、観光、文化、教育など幅広い分野の交流による相互理解深化、2025年大阪・関西万博の成功と2030年釜山万博開催実現に向けて協力していくことなどにも合意。次回会合については、2024年に大阪で開くことなども確認した。
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