政府は6月27日、首相官邸で第6回「GX実行会議」(議長・岸田文雄首相)を開催し、GX推進戦略、GX経済移行債を活用した投資促進策、中堅・中小企業のGX推進などGX実現に向けた諸施策について議論した。日本商工会議所の小林健会頭は、GX推進戦略について早期の策定と実行を求めるとともに、国益に資するトランジション・ファイナンス拡大を要請。岸田首相は、「GXはわが国の成長戦略の中核であるのみならず、経済安全保障上でも大きな役割を果たす」と述べ、「前例にとらわれない大胆な政策の具体化」を指示した。
日商の小林会頭は、「GX実現に向けた基本方針」を踏まえ、関連法案が成立したことを歓迎。GX推進戦略については、「2050年カーボンニュートラル実現に向け、日本経済の長期停滞からの脱出と新たな成長エンジンとしていくことが肝要」と強調。「早期に策定し、実行に移してほしい。国益に資するトランジション・ファイナンス拡大をお願いしたい」と要請した。
民間投資の加速と地方・中小企業への波及については、「今後さらなる加速が不可欠」と指摘。中小企業によるGXの推進については、「極めて重要」と強調し、政府に対して省エネ・CO2排出削減やグリーン関連ビジネスへの力強い支援を求めるとともに、GX分野における「パートナーシップ構築宣言」の取り組み推進に期待を表明した。
岸田首相は、GX関法案の成立について「今回のGX推進法によって、主要国との政策競争に伍(ご)していける基盤ができた」と実行会議委員への謝意を示すとともに「今後はわが国の強みを生かして、一歩も二歩も先行する具体的な政策展開を図る」との考えを表明。GX経済移行債については、「世界に例のないトランジション・ボンドを政府が発行し、民間のトランジション・ファイナンスにつなげる。50年までに40兆ドルの資金需要があるといわれるアジアのトランジション投資に貢献していく」と意欲を示した。
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