6月14日、商工組合中央金庫(商工中金)の民営化に向けた「中小企業信用保険法及び株式会社商工中金法の一部を改正する法律」が、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。政府保有株式は、公布から2年以内に全て売却。議決権保有株主資格の対象から政府を削除し、売却後2年以内に代表取締役選任時の認可は届け出制に変更するなど、政府の関与を弱める。一方、一般監督権限、定款変更などの認可は維持する。
株主資格制限については維持した上で、商工会議所を含む中小企業関係団体にも対象を拡大する。危機対応業務については、危機対応業務を行う責務を措置するとともに、危機対応準備金を維持。コロナ禍などでも実施した危機時の中小企業への資金繰り支援などの公的な役割は維持する。
特別準備金(約4000億円)も維持するが、危機対応準備金と同様に一定の条件の下で商工中金の判断により返納することとする規定に見直す。
業務範囲の制約も見直す。事業再生企業への出資上限を緩和するほか、範囲を広げ、登録型人材派遣やシステム販売ができるようにする。民間金融機関との公正な競争を妨げないように配慮する民業圧迫回避規定は残す。一方で、地域金融機関との連携・協業を進める規定を創設する。
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