日本商工会議所の小林健会頭はこのほど、来所した大村秀章愛知県知事(全国知事会休み方改革プロジェクトチームリーダー)と会談し、同会の取りまとめた「『休み方改革』の推進に向けた提言」の実現に向け、協力を要請された。小林会頭は、「非常に重要な取り組みだ」と会員企業などへの働きかけに協力していく考えを示す一方、サプライチェーン全体での理解・協力の必要性を指摘。大企業から下請け企業への労働条件のしわよせ防止などへの支援を要望した。 会談で、大村県知事は、提言の背景となる現状と課題を説明し、「テレワークなど、多様な働き方が浸透した今こそ、『休み方改革』に取り組み、全ての国民が幸せを感じることができる日本社会を目指していきたい」と強調。各地商工会議所を通じた会員企業などへの働きかけを求めた。 小林会頭は、「非常に重要な取り組みであり、各地商工会議所にも働きかけていく」と協力する考えを示した一方、「取引慣行など、サプライチェーン全体で理解・協力を得ることが必要」と指摘。「中小企業は深刻な人手不足に加え、賃上げなどの政策課題への対応を求められている」と強調し、全国知事会に対して、大企業から下請け企業への労働条件のしわ寄せ防止や中小企業における人手不足への支援を要請した。 提言では、欧米と比べて低い水準にある企業や個人単位での柔軟な休日設定による休暇を取得しやすい環境づくり、有給休暇の取得促進、子どもと家族が一緒に休める環境や仕組みづくりの重要性を強調。休日を柔軟に設定できる環境づくりに向けては、「企業・事業所単位での休日設定の促進」「個人のアニバーサリー休暇の設定」「サプライチェーンが一体となった『休み方改革』」などを求めている。 有給休暇については、従業員が取得しやすい環境づくりのほか、「休暇型ワーケーション」などの新しい休みの導入などを要請。「子どもと家族が一緒に休める環境や仕組みづくり」に向けては、夏休みなどの子どもの休みに合わせて従業員が休暇を取得しやすくするよう求めている。
「休み方改革」の推進に向けた提言(全国知事会)【内容のポイント(抜粋)】
(1)企業や個人単位で休日を柔軟に設定できる環境づくり
・製造業の現場で行われている祝休日を平日に振り替えている取り組みを他産業に広げるなど、企業・事業所単位での柔軟な休日設定の促進
・個人の祝日(アニバーサリー休暇)を設けるなど、個人が休みを取りやすくする環境づくり
・サプライチェーンが一体となった「休み方改革」への取り組み
(2)欧米と比べて低い水準にある有給休暇の取得推進
・企業活動との調和・調整による従業員が有給休暇を取りやすい環境づくり
・休暇型ワーケーションやブレジャーなどの導入および観光関連事業者などによる受け皿づくりへの積極的な取り組み
(3)子どもと家族が一緒に休める環境や仕組みづくり
・夏休みなど子どもの休みに合わせて休暇を取得しやすくする積極的な環境づくり
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