日本商工会議所は9月28日、中小企業における軽減税率の準備状況や消費税の価格転嫁などに関する調査の結果を公表した。2019年10月の消費税率10%への引き上げと同時に導入される、食品などの税率を8%に据え置く軽減税率については、約8割の事業者が準備に取り掛かっていないことが明らかとなった。
約8割が準備に取り掛かっていない一方で、「準備が必要か分からない」と回答した事業者は、前回調査(16年7月)時の約47%から、約20ポイント減少し27・7%となった。売上高別では、小規模な事業者において特に準備が進んでいない状況だった。
軽減税率導入に当たっての課題では、「値札、価格表示などの変更」が37・1%で最多。「経理事務の負担増」(33・8%)、「制度の理解、従業員への教育」(33・4%)が後に続いた。
消費税率引き上げ後の価格転嫁については、6割以上の事業者が「転嫁できる」見込みと回答。前回調査時の転嫁状況と比較すると、「転嫁できる」と見込む事業者の割合が高くなった。
取引形態別では、「転嫁できる」割合は、「BtoB事業者」で約7割。対して、「BtoC事業者」では約6割となった。売上高別(BtoC事業者)に見ると、小規模な事業者ほど価格転嫁が難しい傾向があった。
消費税率引き上げ後の価格設定方法では、「全ての商品・サービスの価格を一律2%引き上げる」が約5割と最も多かった。
調査期間は6~8月。各地商工会議所の会員企業3277社から回答を得た。
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