日本商工会議所はこのほど、2003年度に創設した「日商ビジネス英語検定」をリニューアルし、23年度から新たな形式・内容で施行する。主に貿易書類や英文レターなどの定型に沿って「書く力」を重視してきた従来の試験から大きく衣替えし、ビジネス英語の現場ニーズの変化を踏まえ、「即答力」を重視した内容にリニューアル。新たにスピーキングとリスニングの問題を導入する。
スピーキングとリスニングを新たに導入
英語のビジネスコミュニケーションにおける課題として、「プレゼン資料は、時間がかかったとしても何とかつくれるし、会議でもあらかじめ用意したメモを英語で読み上げることはできる。しかし、相手の話をその場で理解して即答することが難しい」「英語での日常会話や仕事でそれほど困ることはないが、相手との距離を縮めるスモールトークが苦手」などの声が聞かれる。こうした力を身に付ける手段として、「ビジネスシーンで必要とされる英語力を測定・認定する試験があれば活用したい」「会議、旅行などではなく、交渉など複雑な場面設定の試験があれば挑戦したい」などの声が寄せられており、また、そのような試験を「会場に出向かず自宅などで受験できる」ことへのニーズが高まっている。
そのようなニーズの変化を踏まえ、主に貿易書類や英文レターなどの定型に沿って「書く力」を重視してきた従来の試験内容を全面リニューアル。新たにスピーキングとリスニ ングの問題を導入し、「即答力」を重視した試験に大きく衣替えすることとなった。 また、リニューアル後は、受験者の英語力やその伸長度を把握しやすくするため、級別に合否を判定する方式から、得点でレベル判定をする方式に移行。加えて、自宅などのパ ソコン(PC)で受験できるIBT(Internet Based Testing)方式を、日商が主催する検定試験では初めて採用する。
公開プレテスト実施後に一層高まる期待の声
本番試験に先立ち、新たな試験を体験できる機会として、3月21日、7月30日に無料のプレテストを実施。2回合計で、約130人の受験者を集め、その6割超が20~40歳代の就業者だった。受験者からは、「実際に使えそうな表現が多く、学びが多かった」「自己啓発の勉強から始め、ゆくゆくは社内で必要な資格の一つとしていきたい」などの声が寄せられた。
年中無休・24時間営業の「快活CLUB」でも受験可能に
9月4日には、ネットカフェのビジネス利用促進を目指す株式会社快活フロンティアと連携し、同社が展開する「快活CLUB」で受験できるサービスを新たに開始することを発表。自宅に受験環境がなくても、検定試験を受験することが可能となった。10月15日の第1回試験では、全国の快活CLUBのうち、2回のプレテストで特に受験者の多かった一都三県の4店舗で実施する。24年2月の第2回試験では、運営に必要な要件を満たした鍵付完全個室を有する4店舗に拡大する予定となっている。
快活CLUBは、年中無休・24時間営業で、アクセスも良好。所定の試験日・時間枠の中から受験者の都合に合わせて、試験時間や受験場所を選択できる。また、PCなど機材や ネット環境も良好で、設備環境面は申し分なく、円滑にIBT試験を受験することができる。
リニューアル後の試験情報はWeb上で順次公開
公開プレテストを皮切りに、5月にはサンプル問題を公開するなど、リニューアル後の試験に関する情報は検定ホームページで順次公開している。23年度の試験施行日は23年10月15日(第1回)と24年2月4日(第2回)で、現在、10月15日試験の申し込みを受け付け中。締め切りは今月29日(金)までとなっている。第2回試験の申込受付期間は追って 検定ホームページなどで公表する。
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