日本商工会議所は10月25日、「『入管法改正案』骨子および『政府基本方針』骨子案に対する意見」を取りまとめ、政府など関係各方面へ提出した。同意見書では、中小企業が外国人材を雇用する際の手続きや受け入れ態勢の構築に関する相談窓口の設置といった、中小企業に対する相談機能を創設することなどを要望している。
政府は企業の人手不足を背景に、外国人材の受け入れ拡大に向けた新たな在留資格について検討を行っている。日商の調査では、65・0%の企業が人不足と回答しており、その割合も年々増加するなど人手不足感が強まっている。日商では、これまでにも外国人材の受け入れに関する意見書を取りまとめ、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を積極的に受け入れていく必要性を主張してきた。
今回の意見書では、外国人材の新たな受け入れ制度について、政府で検討が行われていることを評価する一方、同制度が深刻な人手不足への対応を目的に創設されることから、「人手不足に苦慮する中小企業が円滑に外国人材を受け入れられるなど、有効な制度とすることが不可欠」と指摘。相談機能創設のほか、ハローワークなどの機能拡充や国内外における合同会社説明会などの実施を通じて、外国人材の雇用を希望する中小企業と外国人材とのマッチングを強化することも求めている。
また、「入管法改正案」骨子が示している、受け入れ企業が外国人材に行う生活ガイダンスや住宅確保といった八つの支援項目は、登録支援機関に委託することが認められているが、登録支援機関で全てを担うことが困難な場合も想定される。このため、登録支援機関が登録を受ける際には、8項目の全てを自ら担うことを要件とせず、一部の支援を能力・体制が確保されている他の機関と連携して実施する場合であっても登録支援機関として認めることを要望している。その他、外国人材の技能水準、在留管理基盤の強化、不法滞在者などへの対策強化などを提案している。
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