日本商工会議所は5~7日、会津若松商工会議所、福島県商工会議所連合会と共に福島県会津若松市などで、「全国商工会議所観光振興大会2018㏌会津若松」を開催した。大会には、全国191商工会議所・連合会などから約1300人が参加した。今年の大会テーマは、「観光地から感動地へ~地方都市の観光創造に向けて~」。全体会議では、各地域がそれぞれの文化・歴史・風物などの地域資源を磨き上げるとともに、訪れる人々がそれを主体的に楽しみ心に残すことのできる「感動地」づくりに取り組んでいくことなどが盛り込まれた「会津若松アピール」を採択した。
1日目の全体会議であいさつした日商の三村明夫会頭は、日本経済を新たな成長軌道に乗せるためには、「各地域がそれぞれの特徴を再発見し、魅力を取り戻して真の地方創生を実現する以外にない」と強調。観光振興はその切り札として、一層の取り組み推進を呼び掛けた。
推進に当たっては、近年急増している近隣諸国・地域からの格安航空会社(LCC)などを利用した旅行者の旅行形態が、団体旅行から個人手配型へと大きくシフトしている点を指摘。消費の関心も「モノ」から「コト」に移りつつあることから、各地でこうした変化に対応した観光メニューの提供が必要との考えを示した。また、インバウンドの6割を占めるリピーターに対して、「全国各地に旅行者が分散し、訪れた先で着実に消費をしてもらうためにも、各地域が訪れる人々のニーズをいかに的確につかんで提供できるかが鍵」と述べた。
引き続き、日商観光委員会の早川慶治郎共同委員長が講演を行い、各地商工会議所における観光振興への取り組み状況を報告した。また、「2018年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の表彰式と「琵琶湖疏水(そすい)通船復活事業」で大賞を受賞した京都商工会議所(京都府)と大津商工会議所(滋賀県)による事例発表を行った。その後、基調講演やパネルディスカッションを実施し、大会テーマ「観光地から感動地へ」について理解を深めた。
2日目は、「広域連携」「インバウンド」「歴史資源の活用」「観光と災害」「ICT」をテーマとした五つの分科会を開催した。有識者や実践者に加え、地元会津からも講師が加わり、現在の観光が抱える課題や可能性などについて意見交換を行った。次回大会は、2020年2月13~15日に石川県金沢市などで開催する。
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