農林水産省はこのほど、2023年8月の農林水産物・食品の輸出額を公表した。8月の輸出額は1034億円(前年同月比7.9%減)。1~8月の累計では9355億円(前年同期比6.1%増)だった。8月の輸出額は輸出先では米国などが増加したものの、中国向けが減少。特に水産物は、輸入停止措置により前年同月に比べ激減した。
8月の地域別輸出額を見ると、中国向け175億円(前年同月比36.3%減)、香港向け176億円(同4.6%増)で、そのうち水産物では、科学的根拠に基づかない輸入停止措置を実施した中国で36億円(同65.7%減)、8月24日から一部の水産物の輸入規制を強化した香港では69億円(同15.5%増)だった。特に2022年の輸出額が大きかったホタテ貝については、中国では前年同月比71.3%減と大幅に減少した。
1~8月の輸出額を国・地域別で見ると、中国が1794億円(前年同期比2.0%増)で最多。次いで香港1509億円(同18.8%増)、米国1315億円(同3.1%減)、台湾908億円(同9.6%増)、EU488億円(同8.6%増)、韓国470億円(同15.0%増)、ベトナム438億円(同1.2%減)で400億円を超えている。
また、8月の輸出額を品目別で見ると、「加工食品」400.8億円(前年同月比3.4%減)、「水産物(調製品除く)」224.5億円(同9.0%減)、緑茶など「その他農産物」101.6億円(同0.6%増)、「畜産品」99.5億円(同22.9%減)、「水産調整品」63.6億円(同5.0%減)などの品目で前年同月比の輸出額が減少している。
中国の水産物輸入停止措置を受け、農林水産省は9月7日、公式SNSで日本産水産物の消費拡大を目指す「『#食べるぜニッポン』キャンペーン」を開始した。「#食べるぜニッポン」という共通のハッシュタグとロゴ画像を使い、水産物の写真の投稿を促すことで、飲食や購買につなげようというもの。特にホタテ、ブリ、タイ、マグロ、練り物を使用した料理の飲食を呼びかけている。
この呼びかけに、多くの個人、企業、自治体、団体などのアカウントが賛同。国内の水産物を使った料理の写真が多数投稿されるなど大きな反響を呼んでいる。
同省サイト内に専用ページも開設。専用ページでは、ロゴ画像など店舗やイベント会場などで利用しやすい広報資材を用意した。店舗名や商品・メニュー名などを自由に入れて、ポスター、チラシ、POPなどに活用できる。
詳細は、下記を参照。
8月の農林水産物・食品の輸出額
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/zisseki.html
「#食べるぜニッポン」専用サイト
https://www.maff.go.jp/j/pr/social_media/taberuze.html
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