政府は11月28日、首相官邸で第9回「GX実行会議」(議長・岸田文雄首相)を開催した。会合では、GX投資促進策および国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)における対応を議論。日本商工会議所の小林健会頭は、GX投資促進策について、「優先順位を明確にし、スピード感を持って実行に移して産業競争力の強化に結び付けていくことが求められる」と述べた。
日商の小林会頭は、GX投資促進策について、「投資促進策」の考え方や方針の内容には「大きく異論はない」と述べた上で、「優先順位を明確にし、スピード感を持って実行に移して産業競争力の強化に結び付けていくことが求められる」と指 摘。GXリーグについては、「参加する大企業とサプライチェーンでつながる中小企業への波及という観点も重要である」との考えを述べた。また、エネルギー分野で、水素(いわき市)や浮体式洋上風力(五島市)など、商工会議所が関わり地 域を挙げた取り組みが進んでいる例を挙げ、GX投資促進策が地域の経済活性化につながることに期待を示した。
COP28については、「各国の事業を踏まえた『多様な道筋』の考えが極めて重要」と指摘。「2030年目標および2050年ネット・ゼロの実現に向け、日本は着実に排出削減を進めている点はしっかりアピールすべき。政府資料を見ても、目標に一致しているのは日本だけだ」と述べ、わが国がCOP28において主導的な役割を果たすことに期待を示した。 岸田首相は、GX投資促進策について、「本日、20兆円の支援策を展開する際の基本原則を明確にした。くらしGXなど国民生活に直結する分野や半導体、蓄電池など戦略分野に加え、鉄、化学といった分野にGX投資支援の枠組みを適用し、ものづくりにおける世界の脱炭素投資をリードすることを目指す」との方針を表明。COP28については、「脱炭素と経済成長だけではなく、地政学的なエネルギー安全保障も含めた各国の具体的なアプローチが問われる」と述べ、「今回のCOPでは、世界全体の排出量の半分を占めるアジアの脱炭素化を視野に入れたわが国の貢献を発信したい」と意欲を示した。
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