厚生労働省は11月28日、「2023年賃金引き上げなどの実態に関する調査」の結果を取りまとめ、公表した。23年中における賃金改定実施状況(9~12月予定含む)では、「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」企業の割合は89.1%(前年85.7%)で前年より3.4ポイント増加。「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は0.2%(同0.9%)、「賃金の改定を実施しない」は5.4%(同6.2%)、「未定」は5.3%(同7.3%)だった。
産業別に見ると、「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」割合は「建設」99.7%(同94.4%)、「製造」97.4%(同94.8%)、「電気・ガス・熱供給・水道」92.9%(同92.4%)などで高くなっている。
23年中に賃金の改定を実施した、または予定していて額も決定している企業および賃金の改定を実施しない企業について、賃金の改定状況(9~12月予定含む)を見ると、「1人平均賃金の改定額」は9437円(前年5534円)で、「1人平均賃金の改定率」は3.2%(同1.9%)。1999年の調査開始以降で最も高くなっている。
賃上げ実施(予定含む)企業において賃金改定の決定に当たり最も重視した要素を見ると「企業の業績」の割合が36.0%(前年40.0%)と最多。次いで「労働力の確保・定着」16.1%(同11.9%)、「雇用の維持」11.6%(同10.7%)となっている。
同調査は、100人以上の常用労働者を雇用する会社組織の民営企業から3620社を抽出し、23年7月20日~8月10日に実施したもの。有効回答企業数は1901社で、有効回答率は52.5%だった。
詳細は、https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/23/index.htmlを参照。
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