児島というと「せんいのまち」「ジーンズの聖地」と呼ばれることが多いのですが、実は非常に歴史の古いまちでもあり、縄文時代の土器や貝塚、石包丁などが発見されるなど、いにしえより栄えた証しである名所旧跡がいたるところにあります。江戸時代からは「吉備の穴海」の干拓で、海上交通の主要なルートも変わったことで、北前船の寄港地として下津井港が有名になり、蝦夷の「にしんかす」が塩田に強い綿花の肥料としてマッチし、繊維の一大産地へと発展していきました。
また2024年は瀬戸内海国立公園指定90周年を迎えます。風光明媚(めいび)な多島美は、児島の鷲羽山の山頂からの景色を見た認定員が、その美しさから指定を決めたとされているほどです。児島の山々から見る瀬戸内海はどこからみても違った顔を見せてくれます。
当社は1854年、児島で創業したスクールユニフォームメーカーで、今年で170周年を迎えます。国内には19の自社工場と60カ所の販売拠点があり、全国1万5千以上の学校に制服・体操服を納入しています。社名にも冠している、主力ブランド「菅公(カンコー)」は、子どもたちの健康と学業成就を願う気持ちから、学問の神様である菅原道真公(菅公)にちなんで名づけられています。
私は小さい頃から、亡き母に「自分のやるべきことは即座にやりなさい、次に人の手伝いをしなさい、最後余った時間で好きなことをやりなさい」と徹底的にたたき込まれたおかげでコスパ重視人間です。また、学生時代から理論理屈を考えるのが好きな一方、「慣習」や「しきたり」のような意味が明確でなく、単なる表面的な丸暗記にはアレルギー反応を示します。人からは気難しい人と思われているかもしれませんが、会社経営などにおける、特にうまくいかなくなった事案で、本質的な原因を追究する際に役に立っていると思います。
好きな言葉は「挑戦こそ成長」「できない理由ではなくできる方法を考える」です。新しい環境に飛び込んでいくことで知識見識のレベルが上がり、アイデアがより浮かんでくると信じており、社員にも繰り返し伝えています。
学校や子どもたちを取り巻く環境が急速に変化している中、現在は学校制服・体操服の製造に加え、子どもたちが未来を生き抜くために必要な力を育む教育支援なども行っており、社会の課題解決に向けてスクールソリューションカンパニーを目指しています。
最新号を紙面で読める!