日本商工会議所は1月18日、「能登半島地震による被災者の1日も早い生活再建と事業再開に向けて」緊急要望を取りまとめ、公表した。要望書は、1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」で被災した住民の生活再建と事業者の事業再開に向け、同12日に、小林健会頭自ら、石川県商工会議所連合会と富山県商工会議所連合会を訪問し、被災地の声を拾い上げ、取りまとめたもの。「度重なる災害で被災者および被災事業者の心は折れかかっている」「大胆な金融・税・財政支援など総合的な支援パッケージの迅速な実行を」「地域の将来に希望を持てる復興ビジョンの早期策定を」を基本認識の柱に据え、迅速に措置すべき支援策と復旧・復興の各ステージに即した支援策を提示している。要望書では、具体的な項目として、「生活建への万全の支援と生活・産業インフラの早期復旧を」「早期の事業再建・再開を後押しする大胆な金融・税・財政支援を」「販路拡大や観光振興など地域のにぎわい回復に向けた支援を」の3点を提示。迅速に措置すべき支援策として、「被災地域立地原発の安全性を含め、迅速かつ的確な支援策などの情報提供の徹底」などの重要性を強調した。
「生活再建への万全の支援と生活・産業インフラの早期復旧を」では、甚大な被害を受けた地域が被災中の段階であり、生活再建支援が最優先であると指摘。水道・ガス・電気・通信などライフラインの完全復旧や避難者の住宅確保などの早急な実現、官民一体となった復興まちづくりへの支援強化などを要望している。
「早期の事業再建・再開を後押しする大胆な金融・税・財政支援を」としては、生活再建が進展すると、生活を支える雇用や所得確保に向けた事業再建・再開フェーズへ移行するとの認識から、政府に東日本大震災時と同等の二重ローン対策や、ゼロゼロ融資の借り換え期限の延長といった金融支援や、被災施設・設備の復旧・復興支援などを求めた。
「販路拡大や観光振興など地域のにぎわい回復に向けた支援を」では、ライフライン・インフラ復旧の見通しが立たない中で、宿泊・旅行事業者のみならず、小売・飲食業など幅広い産業への深刻な影響への懸念を指摘。復旧・復興段階に応じた支援メニューを早期に示し、タイムリーに支援策を講じていくことが極めて重要と強調し、風評被害を防止する継続的な情報発信や、能登、北陸地方に関する観光プロモーションおよび観光需要喚起キャンペーンの実施などを要望している。
また、日商の小林会頭は12日、石川県連、富山県連を訪問後に、全国の商工会議所の役職員向けにメッセージ「令和6年能登半島地震の支援に向けて」を発出。今後の全国の商工会議所ネットワークを生かした支援活動への協力を呼び掛けた。
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