日本商工会議所青年部(日本YEG)は3月13~17日、石川県小松市を主会場に、全国417YEGのメンバー1万人超が参加し、「第43回全国大会 加賀能登の國いしかわ小松大会」を開催した。今年度の大会テーマは「Power of Community ISHIKAWA」。今年1月に発生した能登半島地震の復興大会と位置付け、大会に先立って3月1、2、8、9日に珠洲市、輪島市、七尾市で開催した分科会における被災地支援活動のほか、能登再興に向けたさまざまな特別企画を実施した。大会事業費の一部は被災地支援のために使用する。
今回の大会は、小松、七尾、輪島、加賀、珠洲、白山の6単会で構成する石川県商工会議所青年部連合会が主管。記念式典には、日商の小林健会頭のほか、岸田文雄首相(ビデオメッセージ)、岩田和親経済産業副大臣(同)馳浩石川県知事、宮橋勝栄小松市長、西正次会頭(小松)ら来賓も多数出席した。
15日には、ASEAN3カ国(ベトナム、タイ、フィリピン)の商工会議所青年部とのMOU締結式、ビジネス交流会、分科会も実施。能登の復興に向けて開催した「復興コンサート~能登もんde交流会」には4千人が参加し、メタバース会場でアバターを操作して全国の参加者と交流できるオンライン全国大会「ジパング メタバース大会」(3月1~24日)も同時開催した。
16日の記念式典であいさつした小林会頭は、式典前日に輪島、珠洲、七尾の3商工会議所と、能登空港の事業者支援センターを訪問し、震災後の再建状況や、復興に向けた地域の課題などについてヒアリングしたことについて触れ、「心が折れかかっている被災者に寄り添い、総力を挙げて、一日も早い復旧・復興に向け、被災地域が真に求める支援活動を力強く、そして息長く継続していく」と強調した。また、日本経済が約30年ぶりの高い賃上げが実現されるなど、停滞から成長への転換局面を迎えていることから、「経済好循環の主役はわれわれ民間であり、経営者の自己変革が成長の鍵となる。持続可能で心豊かな未来の実現に向けて、YEGメンバーの行動力と創造力を大いに発揮していただきたい」とエールを送った。
記念式典では、日本YEGの木村麻子会長(当時)から小林会頭に、①人手不足解消のため働き控えを少なくする社会保障制度の改革、②中小企業の国際ビジネス促進政策、③地域の中小企業のDX推進支援としてのデジタル人材の育成、④中小企業における女性活躍のための政策、⑤令和6年能登半島地震からの復興と今後の災害対応」の5項目の政策提言書を手交した。また、SDGs・男女共同参画推進委員会が「日本YEGサスティナブル宣言」を発表。同宣言には具体的な取り組みや支援策が盛り込まれている。
式典後には、能登の復興支援のため、日本青年会議所、全国商工会青年部連合会、全国中小企業青年中央会と連携・協力し、「震災復興フォーラム」を開催した。また、JR小松駅前などをメイン会場に「加賀能登の國物産展」を実施、駅前アーケードでは人気のキッチンカーが集結し、被災地の産品をPRした。
2024度の全国大会は、25年2月12~16日に福岡県久留米市などで開催。主管となる福岡県商工会議所青年部連合会が大会参加を呼び掛けた。
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