日本商工会議所の小林健会頭は4月16日、日本経済団体連合会の十倉雅和会長と共に加藤鮎子内閣府特命大臣と会談し、「2025年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」を受けた。加藤大臣は、就職・採用活動の日程ルールの順守や内定を出す条件に他社での就職活動を終えるよう強要する「オワハラ」の防止の徹底などを要請した。
小林会頭は、「学生の学習時間の確保という観点から、一定のルールが必要であり、広く会員企業に周知する」と応じた。また、「オワハラをはじめとした就職活動に付随する問題も出てきており、学生、大学、企業の実態を十分踏まえ、ルールそのものの在り方や一律にルールを設定する意義について検討すべき」との考えを示した。
要請内容のポイントは、広報活動開始が卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動開始が卒業・修了年度の6月1日以降、正式な内定日が卒業・修了年度の10月1日以降としている。その上で、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で春休み以降に実施されるものを通じて高い専門的知識や能力を有すると判断された学生については、そのことに着目し、3月から行われる広報活動の周知期間を短縮して、6月より以前のタイミングから採用選考プロセスに移行できることとしている。
政府による経済団体への要請は、学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくることが重要との認識の下に実施している。就職・採用活動の日程が一部で早期化し、学生の就職活動期間が長期化する傾向にあること、また、インターンシップなどを契機に、就職・採用活動の日程より前に実質的な就職・採用活動が行われる事例もあることから、インターンシップの適切な実施と就職・採用活動の日程などの順守徹底を経済団体に呼び掛けている。
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