山鹿商工会議所(熊本県)、山鹿市、鹿本農業協同組合などはこのほど、「やまが和栗振興協議会」を設立した。西日本一の生産量を誇る地元の特産品「やまが和栗」のさらなる周知に取り組む。
同協議会は「日本一、和栗で稼げる山鹿市」を目指し、①栗農家の所得向上②栗の生産体制の強化③和栗のブランド化④和栗のPR⑤生産振興、加工、流通、消費拡大⑥和栗に関する情報発信と宣伝活動――の6項目について、農業、観光業、経済、行政分野の関係者らが連携。やまが和栗の流通量の増加、和栗を使用した新商品の開発による消費拡大、観光客の誘致、栗農家の次世代への継承を図る。
5月25日~6月30日には「やまが和栗スイーツフェア見本市」を開催。市内の10店舗が出店し、やまが和栗を使った郷土菓子の「栗だんご」のほか、和栗を使ったソフトクリーム、モンブランなど各店舗の新作スイーツを販売した。また、同協議会は今後、全国の栗産地からモンブランを集め1位を決める「第2回全国モンブラン大会2024」や、和栗を使った郷土料理の作り方を学ぶ農産加工講座を開催し、全国の栗産地との連携も深めながら、和栗文化の継承と同市の知名度向上を目指す。
熊本県では江戸時代から、すでに食材や木材として栗の生産が盛んであり、昭和初期には農村を豊かにする産物として、山間部を中心に広がっていった。1961年には農業基本法や果樹振興法の制定により、栗は重点果樹に指定され、さらに植栽が加速し、現在では毎年およそ2千㌧以上の生産量を誇る。県内の生産量は全国でも茨城県に次いで2番目、西日本では最大の和栗生産地となっている。中でも同市は年間800㌧以上の生産量を誇る県内随一の産地である。
同所担当者は「今回の協議会設立は、山鹿の和栗を全国にPRし、和栗で稼げる良いサイクルを作り出すことにより、担い手不足などの根本的な課題について解決していく、山鹿全体で取り組んでいく新たな試みだ。商工会議所として、やまが和栗の情報発信を行うだけでなく、和栗を使用した商品の開発や販路拡大のサポートを行うことで『日本一和栗で稼げる山鹿市』へつなげていきたい」と語った。
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