日本商工会議所は2月20日、経済3団体(日商、日本経済団体連合会、経済同友会)連名による共同声明「国際リニアコライダー誘致に関する意思表明への期待」を発表した。共同声明では、「日本政府には、国際リニアコライダー(ILC)誘致に向けた『国際協議開始の意思表明』を関係国に発出し、国際協議の開始を関係諸国に呼び掛けることを期待する」としている。
ILCは、全長約20㌔㍍の地下トンネルに建設される宇宙の起源や仕組みを研究する素粒子物理学実験用加速器施設で、世界中の研究者が協力して設計・開発を進めている。こうした中、日本の素粒子物理学分野発展への貢献や技術レベルの高さから、ILCのホスト国として、この分野の研究をけん引することが、諸外国の多くの研究者から期待されている。ILCは、アジア初の大型国際科学技術拠点として、海外から数千人の優秀な研究者が集まり、国内外の最先端の技術が集積することも想定されている。
このため、共同声明では、日本政府による誘致に関する意思表明に対して期待を示している。さらに、今後の誘致の最終判断に向けて、誘致計画の精緻化、発現が期待される諸効果のさらなる検証、学術界をはじめとする関係者の理解の醸成に努めるよう要望している。
ILCの日本誘致については、同プロジェクトを検討する国際機関であるICFA(国際将来加速器委員会)が日本政府に対して、国内誘致の意思表示を3月7日までに行うよう求めていた。