日本商工会議所の小林健会頭は6月21日、宮城県仙台市で開催した移動常議員会・議員総会後の記者会見で、最低賃金の今後の議論について「法律に書かれた3要素を総合的に勘案して定めるという原則があり、世の中の雰囲気で決めるものではない。従って、賃金と物価の両方が上がっている現状で、支払い能力が論点となる。最低賃金は罰則も伴うものであり、やはり十分な審議をしてもらいたい」と指摘。一方で「払えない事業者の意見も聞く場であるべしと思う。先日の日商の調査でも賃下げをしたという企業が約5%あった。その払えない理由、産業構造などをよく熟議してもらいたい」と訴えた。さらに「地方同士、特に近隣県との最賃の賃上げが競争的になることを憂慮している。無理している県が結構あるのではないかとも思うので、冷静に考えてもらいたい」と懸念を示した。
今回の一連の会議については「日商・東北六県商工会議所連合会懇談会を行ったが、非常に良い内容で、特に他の遠方から参加した方々にとって実りが多いと感じた。地方創生に何が必要かということが如実に分かった。非常に印象に残ったことは、各地域が一生懸命に、そして地域に合わせた形で取り組んでいる感じがした。地域に即したエネルギーと方向性を示してもらったという点が今回の特色だと思う」と述べた。
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