日本商工会議所の小林健会頭は9月18日、定例の記者会見で、地域別最低賃金の改定について、自治体同士の競合が先走った不当な最賃上昇に懸念を表明し、決定方法については「特に支払い能力について各地域でデータを精査して決めてもらいたい」と述べた。解雇規制の見直しについては、金銭救済制度の具体化に向けた早期検討を要望。国際的イベントの機運醸成に向けた大阪・名古屋・横浜の3商工会議所による連携協定については、「横展開を推進していきたい」と意欲を示した。
小林会頭は地域別最低賃金の改定について、「中央最低審議会が示したプラス50円の目安を基準として、各都道府県で審議した結果上がること自体に否定感はない」と述べた一方、「近隣自治体との競合が先走って、最賃が不当に上がることは避けてほしい」と懸念を示した。最低賃金の決定方法については、「さまざまな議論があるが、総体的に言えば、特に支払い能力について各地域でデータを精査して決めてもらいたい」と注文をつけた。
自民党総裁選挙の争点の一つにもなっている解雇規制の見直しについては、「整理解雇の四要件を、政治的に変えるということは、三権分立の中での司法の独立ということから言えば、本来なじまない」と指摘。自身も参画した「新しい資本主義実現会議」で金銭救済制度の見直しなどを検討し、実行計画の改訂案を取りまとめていることに触れ、「商工会議所としては、最後の手段としての金銭解決があればありがたいという立場だ」と強調した。
国際的イベント(2025年大阪・関西万博、26年アジア・アジアパラ競技大会、27年横浜・国際園芸博覧会)の機運醸成に向けた大阪・名古屋・横浜の3商工会議所による連携協定の締結については、「全国515商工会議所のうち、大阪、名古屋、横浜はその地域の連合会の会長として縦軸をまとめているので、日商の役割としては横連携を推進していきたい」と意欲を示した。
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