日本商工会議所は11月21日、臨時会員総会などを都内で開催し、第31期役員(任期=2022年10月31日まで)などを選出した。会頭には、東京商工会議所の三村明夫会頭(日本製鉄名誉会長)を再任した。3期目を迎える三村会頭は所信の中で、「われわれの進むべき道、果たすべき役割は、第一に、引き続き『中小企業の強化を通じて日本の成長する力を育てる』こと、第二に、『真の地方創生』を実現することです。そのために、今期においても、『中小企業の活力強化』と『地域の活性化』を柱に掲げ、皆さまと共に挑戦してまいりたい」と意気込みを示した。 (2面、3面関連記事)
臨時会員総会には、全国284商工会議所から会頭・副会頭ら約600人が出席した。議事では、三村会頭のほか、副会頭、監事を選任した。また、臨時会員総会に先立ち開催された常議員会・議員総会では、常議員らを選任した。
会頭に再任された三村会頭は、「われわれの進むべき道・果たすべき役割~民間の挑戦で、地域と日本の未来を切り拓く~」と題する所信を表明した。所信の中で三村会頭は、「商工会議所の最大の強みは、全国515商工会議所、125万会員ネットワークの存在と、具体的・個別的な課題をはっきり認識していること」と強調。「一つ一つの課題を解決し、日本経済の成長の後押しをすることに、皆さまとともに挑み続け、中小企業や人が輝く地域・日本をつくり、次代へとつないでいく。それがわれわれ商工会議所の進むべき道・果たすべき役割であり、私は先頭に立って、全力を尽くして、この使命を果たす覚悟であります」と決意を述べた。
一方、中小企業が業績を伸ばす上で一番の障壁となっている人手不足について、「生産年齢人口の減少に加え、中小企業から大企業への人材の流出も影響し、今や極めて深刻な問題となっている」と指摘。その最重要対策の一つとしてITの活用などによる生産性向上を挙げた。
また、大企業と中小企業の関係性について、「大企業と中小企業が、取引価格の適正化を通じコストを公正に負担し合い、また大企業が、サプライチェーンの重要な位置を占める中小企業のデジタル技術活用による生産性向上の支援や、オープンイノベーションなどでの連携を自社の課題として推進することでサプライチェーン全体が強固になり、ひいては日本経済全体の成長基盤が確かなものになる」と主張。大企業と中小企業の新しい共存共栄関係の構築を訴えていく考えを示した。
地域の活性化については、地域経済に活力を取り戻す切り札として、「観光振興」と「地域資源の活用」を提示。広域連携などを軸とした観光振興の取り組みによる域外需要の取り込みや、地域資源を活用した農商工連携をはじめとする特産品開発、販路開拓への積極的な取り組みを呼び掛けた。
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