日本商工会議所は11月29日、11月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。10月の全産業合計の業況DIは、10月から2・7ポイント悪化のマイナス26・8となった。調査期間は11月14~20日。全国338商工会議所の会員企業2005社から回答を得た。
11月の調査結果では、省力化投資を中心とする設備投資や都市部の民間工事などの建設業は堅調に推移したものの、消費税率引き上げに伴う消費者の節約志向の強まりや、高額品を中心とする駆け込み需要の反動減の影響が残り、小売業やサービス業、卸売業など幅広い業種の売り上げが落ち込んだ。また、米中貿易摩擦や世界経済の先行き不透明感、深刻な人手不足や人件費の上昇、仕入れコストや光熱費の増加が業種を問わず、広く業況の押し下げ要因となっており、中小企業の景況感には鈍さが見られる。
先行きについては、先行き見通しDIは、11月比プラス3・3ポイントのマイナス23・5となった。クリスマスや年末年始の個人消費拡大やインバウンドを含めた観光需要拡大への期待感がうかがえる。一方、消費税率引き上げの影響や、人件費の上昇や受注機会の損失など人手不足の深刻化の影響、原材料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁の遅れ、貿易摩擦や世界経済の動向、日韓情勢の行方など不透明感が増す中、中小企業の業況感は慎重な姿勢が続く。
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