札幌商工会議所(北海道)は10月25日~11月3日、「中島公園紅葉ライトアップ」を初開催した。同イベントでは、中島公園内にあるイチョウ並木、菖蒲池、豊平館(国指定重要文化財)、日本庭園の四つのエリアで18~21時にライトアップを実施。ほかにも、さっぽろ名妓連による演舞、野点での道産小豆を使ったおしるこの販売などのイベントも開催された。
総来場者数は、当初目標の約5倍の約14万7千人。最も人出の多かった11月2日には、日本庭園への入場待機列が公園外にまで伸びるなど、大変な活況を呈した。
同イベントが中島公園で開催された理由として、同公園が市内で高い認知度を誇っていて紅葉の美しさに定評があり、アクセスも良かったことが挙げられる。
同公園は、明治時代の1871年に鈴木元右衛門が木材貯蔵のための堀をつくったことに始まり、1907年に当時の造園の権威であった長岡安平が設計し、整備された由緒ある公園。今回ライトアップされた四つのエリアいずれにも歴史や由縁があり、その紅葉の美しさも地元住民から評価されていた。
また、同公園は、さっぽろ駅から市営地下鉄で約5分の市内中心部に位置し、アクセスの良さも特徴。10~11月は夏と冬の旅行シーズンに挟まれ、札幌市の観光閑散期となっているが、同イベントにより新たな魅力を創出することで同公園から夜間の人流を生み出し、周辺地域への経済波及効果を図る狙いがあった。実際、同公園から徒歩約10分の場所にあるすすきの駅周辺の飲食店からは「イベント期間中の人出が多く、売り上げが伸びた」という声があった。
同所担当者は「今回のイベントを今後、『紅葉』に『食』や『伝統文化』を掛け合わせた札幌ならではの秋の魅力に育てたいと考えている」と話した。
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