日本商工会議所は12月19日、東日本大震災沿岸部被災地区商工会議所連絡会との懇談会を開催した。会合には、日商の小林健会頭、東北六県商工会議所連合会の藤﨑三郎助会長(仙台・会頭)、連絡会の桑原茂代表(塩釜・会頭)らメンバーの商工会議所会頭が出席。桑原代表は、小林会頭に「東日本大震災復興に関する要望書」を手交し、国への働き掛けを求めた。
会合で小林会頭は、「人口減少が続く中にあって、観光、産業立地、インフラ整備など共通する課題に対しては、地域間で取り組むことが重要」と述べるとともに、原子力災害を抱える福島については、「国の責任の下で、切れ目のない復興・創生を着実に推進することが不可欠」と指摘。手交を受けた要望書を基に、日商としての要望書を取りまとめ、復興大臣をはじめ関係機関に強く働き掛けていく考えを示した。
連絡会の桑原代表は、地震・津波地域の復興まちづくりなどが順調に進展する中で、復興の総仕上げに向けた地方創生施策とのさらなる連携強化の必要性を強調。原子力災害被災地域については、ALPS処理水の海洋放出や核燃料デブリの取り出し作業が行われる一方で、イノベーションコースト構想などを中心とした拠点整備が進められている現状を説明し、「新産業の創出や地元企業による新たな事業展開など産業集積に厚みを持たせ、その効果を県全域に波及させていくことが重要」と指摘した。
その後の意見交換では、連絡会の武輪俊彦会頭(八戸)、米谷春夫会頭(大船渡)、青木八州会頭(石巻)、菅原昭彦会頭(気仙沼)、小野栄重会頭 (いわき)草野清貴会頭(相馬)、岡田知益会頭(銚子)、岩手県商工会議所連合会の谷村邦久会長(盛岡・会頭)らが各地の実情を踏まえた要望事項を説明し、日商が取りまとめる要望書への反映を要請した。 東北六県商工会議所連合会の藤﨑会長も連合会としての要望書を日商に提出。創造的復興の完遂、東北地域の中小企業の再生などに向けた支援を求めた。