日本商工会議所の小林健会頭は2月3日、定例の記者会見で、春季労使交渉について、「現状では、昨年並みの水準を目指す動きになるだろう」との認識を示した一方、中小企業が二極化している現状を指摘し、「賃上げも安心できる状況ではない」と懸念を表明した。価格転嫁については、大企業をトップに、サプライチェーンの川下まで価格転嫁が進むよう広く情報交換することを呼び掛けた。トランプ米大統領による追加関税については、 「一番身構えるのは中小企業になる。商工会議所がどうやって中小企業を守っていくのか。全体を見て、対話をしながら方向性を見つけていくしかない」と述べた。
小林会頭は春季労使交渉について、第2次トランプ政権の動きなど、不確定要素があることを前置きした上で、初任給引き上げへの取り組みが拡大している現状などを考慮すると「昨年並みの水準を目指す動きになるだろう」との認識を示した。一方、「中小企業の中でも小規模と中小は相当二極化してきており、賃上げも安心できる状況ではない」と懸念を表明した。
価格転嫁については、「大企業の責任は非常に重いということは明確」と指摘。サプライチェーンの川下まで価格転嫁が進むよう、「広く情報交換を し、共存共栄させてほしい」と呼び掛けた。また、「第2次トランプ政権の動きをリスク要因として考え、差配していくことが必要不可欠」と述べ、「日本では、賃上げを含め、良い雰囲気で来ているが、前提が覆った時に慌てないようにしておくことが必要」と強調した。
トランプ米大統領がメキシコ・カナダ・中国に対して追加関税を課す大統領令に署名したことについては、「日本経済への影響は多大」と述べ、「日本企業が積み上げてきた貿易モデルが根底から変わる可能性がある」と懸念を表明。また、「一番身構えるのは中小企業になる。商工会議所がどうやって中小企業を守っていくのか。全体を見て、対話をしながら方向性を見つけていくしかないだろう」と述べた。