日本・東京商工会議所に事務局を置く日本・カナダ商工会議所協議会は2月6日、第8回合同会合をカナダ・オタワで開催した。会合には日本側からは安永竜夫会長をはじめ37人、カナダ側からはリック・ホワイト会長をはじめ、カナダ商工会議所のキャンディス・レイン会頭ら73人の総勢110人が参加。また、来賓として日本側から山野内勘二駐カナダ日本国特命全権大使、カナダ側からイアン・マッケイ駐日カナダ特命全権大使兼インド太平洋地域担当特使らが出席した。
開会式であいさつした安永会長は、「日本とカナダの関係はこの1年でますます緊密な動きを見せている」と述べ、政治・経済の両面で両国の関係が着実に強固になっていることを強調。今年カナダがG7サミットの議長国を務めることなどに触れ、両国経済関係のますますの発展に期待を表明した。ホワイト会長は、激動する市場環境において、貿易関係と自由貿易協定が危機にさらされる可能性がある中、信頼性のある安定した貿易パートナーとして、日本が重要であるとの認識を強調した。
今回の会議では、「日本とカナダの二国間経済協力の深化~インド太平洋地域の安定と繁栄に向けて」をメインテーマに、「地政学的リスクが高まる時代における重要サプライチェーンの確保」「エネルギーおよびクリーン技術に関する協力」の二つのテーマで個別討議を実施した。
会合の最後には、山野内大使、マッケイ大使立ち合いの下、安永会長とホワイト会長の署名で共同声明を採択。共同声明では、地政学的リスクが高まる中での重要なサプライチェーンの確保に向け、農業・天然資源・製造業・人工知能といった相互補完的な強みを持つ分野での連携や、エネルギー転換に不可欠なクリーン技術に関する協力関係強化の必要性を強調。また、二国間貿易・投資の促進に向け、貿易インフラの強化、経済対話の深化の重要性を強調し、両国政府や協議会会員と協力していく旨などが盛り込まれた。