生成AIの分野では、米国のオープンAIのチャットGPT、マイクロソフトのコパイロット、グーグルのジェミニなどが主要なプレイヤーとなっている▼
オープンAIはエヌビディアの最先端GPUを搭載し、数億ドルから数十億ドルを投じてチャットGPTを開発した。一方、中国の新興企業ディープシークはオープンAIの10分の1から20分の1の560万ドル(8.7憶円)と低コストでチャットGPTに匹敵するAIチャットボット、R1モデルを開発した▼
中国はR1モデルの開発に当たって、米国のAI分野の輸出規制によってエヌビディアの最先端GPUを輸入して組み込むことができなかった。そのため、中国はエヌビディアの型落ちのGPU(H800)を中心にして、むしろソフトウエアの最適化によってオープンAIのそれに劣らない性能を実現した。このような中国のソフトウエアの開発能力はむしろ欧米のAI開発関係者に大きな衝撃を与えた▼
ところで、ディープシークの生成AIの利用に当たって、韓国は一部アクセスを制限したり、台湾やオーストラリアはその使用を禁止したりした。その理由は、この生成AIは中国政府共産党の意向をくんでつくられたものだからだ。例えば、尖閣諸島についてディープシークに聞くと、「尖閣諸島は中国固有の領土である」という中国政府の見解が返ってくる▼
欧州はこの分野において米国や中国に後れを取っているとみられている。そのため欧州は第三極を目指し、1090億ユーロ(約17兆円)の基金を設立して両国に追い付こうとしている。このような生成AIの世界の動きに対して、わが国のそれは、まだ誇れるニュースが聞こえてきていない
(政治経済社会研究所代表・中山文麿)