日本商工会議所はこのほど、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に、2018年度の採用実績の動向について調査した結果を発表した。18年度の採用実績(全産業)について、「募集し、採用できた」企業は55・2%、「募集したが全く採用できなかった」企業は9・8%、「募集しなかった」企業は35・0%となった。
「募集したが全く採用できなかった」企業の割合は18年4月調査と比べ、0・7ポイント増加。「募集し、採用できた」企業においても、予定した人数を確保できたか聞いたところ、新卒採用、中途採用、非正規採用すべてで約5割の企業が「確保できなかった」と回答した。業種別の採用実績を見ると、建設業において「募集したが全く採用できなかった」割合が21・8%と、ほかの4業種に比べ、高い数字となった。
「募集し、採用できた」企業の約半数が予定した人数を確保できなかったことから、人手不足で採用に苦しむ企業の様子がうかがえる。特に建設業では民間工事が堅調に推移する一方、「全く採用できなかった」割合が高く、受注に対応できていないケースも見受けられる。
ヒアリングした企業からは、「案件は豊富にあり、有利な受注環境であるにもかかわらず、対応できる技術を持った社員が大幅に不足しており、受注できないケースがかなり増えている」(建設)、「応募はあるものの、良い人材に出会えず、3人採用したかったところ、1人しか採用できていない状況」(製造)といった声が寄せられた。
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