日本商工会議所の小林健会頭、日本経済団体連合会の十倉雅和会長、経済同友会の新浪剛史代表幹事、日韓経済協会の小路明善次期会長は3月21日、韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官らと都内で懇談を行った。小林会頭は、「厳しい国際情勢の中で日韓関係の重要性が一層増している」と指摘。今年国交正常化周年の節目を迎えることを機に、経済交流拡大などへの機運醸成に尽力する方針を表明した。趙外交部長官は、「トランプ新政権発足後の新たな課題を共に克服していきたい」と述べ、連携強化に期待を示した。
小林会頭は、日本の対韓国投資や両国間の人的往来が昨年、過去最高を記録したことなどに触れ、「昨今の日韓両政府による関係改善の努力が実り、具体的な成果として表れてきている」と述べるとともに、「日本と韓国は、互いにさまざまな課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国であり、現下の厳しい国際情勢の中で関係の重要性は一層増している」と強調。また、今年国交正常化60周年の節目を迎えることから、「経済交流の拡大や地方同士の交流の機運醸成に尽力する」との方針を示した。
経団連の十倉会長は、「日本にとって韓国は重要な隣国であり、良好な日韓関係は両国間のみならず、東アジア地域全体にとって極めて重要」と述べ、国際情勢が不透明感を増す中、「日本と韓国が連携し、ルールに基づく自由で開かれた国際経済秩序を維持・強化していくことが何よりも求められている」と強調した。
経済同友会の新浪代表幹事は、「米国に依存し続けるのではなく、有志国連携を強化し、『経済安全保障圏』をつくることが重要。その最大の鍵となるのが日韓関係の強化」と指摘。「短中期的には半導体、長期的には量子コンピューターやバイオなどの領域において連携を図り、戦略的不可欠性を高めることが肝要」と述べた。
日韓経協の小路次期会長は、「今やアジアを代表する両国経済界が、未来に向けて交流を深めていく重要さはますます高まっている。微力ながら、全力を尽くしたい」と述べ、両国の連携強化に期待を表明した。
一方、趙外交部長官は、国内外の環境変化について、「地殻変動と言っても過言ではないほど大きく急激な変化」と指摘した一方、「トランプ新政権発足後の新たな課題を共に克服していき、日米韓協力を通じて北東アジアとインド太平洋地域の平和と安定にも寄与していくことを期待する」と述べた。