廿日市市は広島県西部に位置し、瀬戸内海と中国山地に囲まれた自然豊かな地域です。平成の大合併で四つの町村を編入し、世界遺産の厳島神社を含む宮島を有する観光名所としての顔を持つようになりました。市有数の桜の名所「住吉堤防敷」も県内外から多くの人が訪れる観光スポットです。また、けん玉発祥の地としても有名で、毎年当市で開催される「けん玉ワールドカップ」には、世界各国から腕自慢が集まり大変盛り上がります。
沿岸部は温暖な瀬戸内海気候、中山間部は冷涼な日本海側気候と、地域によって気候が異なり、海水浴や釣り、登山、スキーなど、自然を満喫できるアクティビティーが豊富です。一方、JR廿日市駅から広島駅まで約20分でアクセス可能と交通の便が良く、市内には公園や買い物施設、病院が充実しており、生活の利便性が高いまちでもあります。子育て環境も整っており、「子育てしやすい自治体ランキング」では中四国地方で第1位、広島県内では2022年、23年と転入超過第1位となりました。24年には市が「こどもが主役のまち はつかいち宣言」を提唱。「オールはつかいち」で、こどもが主役のまち実現に向け全力で取り組んでいます。
さて、私が会長を務める株式会社シブヤは、1952年に創業し、農機具の販売店から商社を経て、メーカーに転身した会社です。現在は鉄筋コンクリート構造物の切断穿孔(せんこう)用機械と、その機械に使用するダイヤモンドツール(刃物)の専門メーカーを主として、製品の開発、製造、販売に取り組んでいます。
当所は、旧廿日市市を管轄地域としており、経済・文化・環境をキーワードに事業を展開しています。経済面では市や観光協会、市内経済団体で組織する産業まちづくり委員会を立ち上げ、各団体と協力しながら経済対策に取り組んでいます。文化の面では、市に由縁のある武家茶道「上田宗箇流」の歴史文化の保存・育成のため、「早瀬遠鐘(えんしょう)クラブ」を立ち上げ、茶会などを実施しています。環境の面では市が掲げる「ゼロカーボンシティ宣言」にのっとり、今年度、環境アクションプランの策定を目指しているほか、市が進めている地域新電力会社の設立に参画する予定となっています。
私が会頭に就任してすぐにコロナ禍となり、中小企業は大きな打撃を受けました。現在は原材料高や人材不足・人件費高騰など、中小企業を取り巻く環境はより一層厳しくなっていますが、これからも会員事業所に寄り添った支援で地域経済の発展に尽力してまいります。