日本商工会議所は6月23日、公正取引委員会との意見交換会を開催した。会合には日商側から細田安兵衛産業経済委員会共同委員長(東京・特別顧問)、立野純三中小企業委員長(大阪・副会頭)、宗像直子知的財産専門委員長(東京・知的財産戦略委員長)ら7人、公正取引委員会側から茶谷栄治委員長ら5人が出席した。
懇談では日商側から①取引適正化の推進、中小受託取引適正化法(下請法改正法)②知的財産の侵害抑止の強化③フリーランス・事業者間取引適正化等法と企業コンプライアンス――の3点について発言した。
具体的には、①については、法改正が取引適正化に向け大きな一助となることが期待される一方、米国関税措置による今後の業績悪化を不安視する声が寄せられている現状を指摘。従来のコストカット型に回帰して中小・小規模事業者にしわ寄せが来ないよう、政府における監視機能のさらなる強化を求めた。
②については、「高付加価値創出型経済への転換に向けて、中小企業におけるイノベーション創出と知財の創造・保護・活用は密接不可分」との認識を強調。一方で、中小企業の知財が不当に搾取される事案が後を絶たない現状に触れ、関連施策の認知度向上や、知財取引適正化の重要性を指摘した。
③については、フリーランスに対して発注者となり得るものの、契約に関する知識に乏しい中小企業に向け、全国の商工会議所における講習会・セミナーなどで注意喚起を行っていることを紹介。公正取引委員会には、中小企業の実態を踏まえたコンプライアンス体制の構築に向け、後押しを求めた。
公正取引委員会からは「今はデフレ脱却への移行期であり、物価上昇に賃上げが追い付いていない。賃上げ原資確保のための価格転嫁が重要」「知財保護について非常に重要と考えているため、どのように対応できるか、よく考えていく」などといった発言があった。