2010年8月、福島県いわき市で地元産間伐材の活用で森林再生を促すため、割り箸メーカーとして誕生した磐城高箸。その8カ月後の11年4月、前月に発生した東日本大震災の大きな余震で工場が被災したことから、一時は「廃業も覚悟した」という。その後、周囲の支えもあり被災3県の杉の間伐材でつくった割り箸「希望のかけ箸」が、同年開催の間伐・間伐材利用コンクールで、間伐推進中央協議会会長賞を受賞すると、13年には「グッドデザイン賞」も受賞。さらに割り箸に加えて、新たに開発した商品も次々と賞を受賞し、21年、同社は経済産業省の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」にも選定された。
こんな同社に、今年もう一つ栄誉が加わった。それはふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」の協力を得て開発したキーホルダー「魚編のコツ」のデザインアイデアが、大阪・関西万博でシグネチャーパビリオン「EARTH MART」を担当する放送作家の小山薫堂さんの目に留まり、同パビリオンの進化する冷凍食コーナーに展示された架空の冷凍食品「魚へんのパスタ」のパッケージで採用されたことだ。万博を機に、今、このユニークなデザインに注目が集まっている。
お問い合わせ
株式会社磐城高箸
所在地 : 福島県いわき市田人町南大平字坪内95-1
電話 : 0246-65-0848
