日本・東京商工会議所は7月17日、「2025年度中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」の集計結果を公表した。同調査は、中小企業の省エネ・脱炭素への取り組み状況や課題、政府に期待する支援内容の現状などを把握し、今後の要望および支援活動に生かしていくために実施。調査結果によると、昨今のエネルギー価格について、約9割(85・2%)の企業が「経営に影響あり」と回答した。脱炭素に関する取り組みについては、「行っていない」と回答した企業は31・1%で、中小企業においても、約7割(68・9%)が何らかの取り組みを実施していることが明らかとなった。調査期間は4月24日~5月27日で、回答企業数は1828社だった。
エネルギー価格の上昇に対する取り組み(1年以内)としては、「自社製品・サービスの値上げ(エネルギー価格上昇分の価格転嫁)」との回答が34・2%で最多。次いで「エネルギー以外のコスト削減」(31・8%)、「運用改善による省エネの推進」(27・7%)の順で多かった。
実施している脱炭素に関する取り組みについては、「省エネ型設備への更新・新規導入」(35・7%)など、省エネに関する取り組みが多かった。また、「エネルギーの使用量・温室効果ガス排出量の把握・測定」にも約4社に1社(26・0%)が取り組んでいることが分かった。
脱炭素に取り組む理由・目的については、「光熱費・燃料費の削減」が76・5%で最多。次いで「企業としての評価や知名度の維持・向上」(32・1%)が多く、中小企業においても、企業ブランディングの向上に活用する動きが見られる結果となった。
政府や自治体に求める支援としては、「省エネ設備、再エネ導入などに対する資金面での支援」が72・8%で最多。次いで「脱炭素につながる製品・サービス・技術の開発などに対する支援(補助金、助成金など)」(28・8%)、「排出削減・貢献量に応じたインセンティブ拡充」(27・1%)が多く、資金面でのサポートを求める声が多いことが分かった。
商工会議所に期待する支援内容は、「セミナーなどによる情報提供」(49・6%)が最多。「国・自治体の支援策の情報提供」(44・1%)が続き、情報提供を求める声が上位を占めた。