岡山商工会議所は8月26日、岡山の食と文化・歴史を学ぶイベント「ガストロノミーの夕べIN岡山後楽園」を開催した。ガストロノミーとは食を通して歴史や文化を学び、その地域の魅力を深く知ること。近年、旅行と組み合わせた「ガストロノミーツーリズム」が国内外からの誘客を増やす手法として注目されている。イベントでは、参加者が煎茶のお点前実演や岡山の郷土料理などを楽しんだ。
同イベントは、ガストロノミーを取り入れ、参加者に岡山の歴史・文化・食の魅力を知ってもらい、地域の魅力を再認識してもらうことで回遊や滞在が伴わない通過型観光の解決につなげようと同所岡山ブランド委員会が企画し、後楽園魅力向上委員会とJTB岡山支店と共に開催。県内を中心に40人が参加した。
第1部では岡山の茶文化と歴史についての講演の後、煎茶のお点前実演と藩主が好んだ菓子「空豆羹(そらまめかん)」を振る舞った。第2部では、食文化と江戸時代の政策についての講演とガストロノミーディナーとして郷土料理「隠し寿司」など県産の食材をふんだんに使用した「ハレBento」を提供した。また、同イベントは岡山後楽園を期間限定でライトアップする夜間特別開園「幻想庭園」の開催期間中でもあり、食事終了後、参加者は庭園を自由に散策した。
同委員会の千原行喜委員長は「世界に誇る大名庭園である後楽園と岡山の食を結び付けることで、さらに付加価値を高め、岡山のブランドとしての情報発信につなげたい」と今後の観光客の増加に期待を寄せた。参加者からは「盛りだくさんの内容で満足度の高いイベントだった」「岡山の歴史や文化など初めて聞く内容も多く、地域を知るよい機会になった」などと好評を得た。