日本商工会議所は1月16日、北村誠吾地方創生担当大臣との懇談会を都内で開催した。日商の三村明夫会頭は、2019年12月末に決定された「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」について、第1期で達成できなかった目標は、その理由や達成向けたロードマップを明確にすることが重要と強調。特に、人口の東京圏への転入超過に歯止めがかかっていない現状の打開が図られるよう、大臣のリーダーシップに期待するとともに、商工会議所としても引き続き地方版総合戦略の策定に、積極的に関与していく考えを表明した。
懇談会には日商から三村会頭はじめ、尾崎裕副会頭(大阪・会頭)、山本亜土副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、家次恒副会頭(神戸・会頭)、鎌田宏副会頭(仙台・会頭)、岩田圭剛副会頭(札幌・会頭)、藤永憲一副会頭(福岡・会頭)、泉雅文副会頭(高松・会頭)、池田晃治副会頭(広島・会頭)、秋田商工会議所の三浦廣巳会頭、氷見商工会議所(富山県)の寺下利宏会頭、鈴鹿商工会議所(三重県)の田中彩子会頭、長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭ら17人、政府側から北村大臣はじめ、大塚拓内閣府副大臣ら14人が出席した。
三村会頭は冒頭のあいさつで地方創生戦略について、5年前のスタート時と比べ、「やや熱気が冷めている」と指摘。「地方創生は、国民の暮らしを豊かなものにするための地域の総力戦であり、国を挙げてその取り組みを加速させていかなければならない」と述べ、北村大臣のリーダーシップに期待を寄せた。
第2期総合戦略については、「検討過程で、各自治体の第1期地方版総合戦略の自己評価を整理しているが、KPIの進捗(しんちょく)状況の確認にとどまっているように思われる。達成困難とされた目標についてはその理由を、また、達成に向けて努力中の目標についてはその達成時期を、それぞれ明確にするといったPDCAサイクルの徹底が必要」とコメント。各自治体の戦略が全体としての地方創生の実現につながっているのか詳細な検証を求めた。
一方、第1期地方版総合戦略の策定プロセスにおいて、約2割の商工会議所が参画できず、進捗についても積極的な評価レベルに達していないとした商工会議所が約半分見られた。このため三村会頭は、「第2期戦略を実のあるものにするため、われわれ商工会議所自らが、地方版戦略策定により積極的に参画する所存」と述べ、民間の声が十分に反映されるよう、国における各自治体への働き掛けを要望した。
北村大臣は、第2期総合戦略では東京から地方へのUIJターンによる起業・就業者の創出、副業・兼業の推進、関係人口の創出・拡大などを図る考えを示した。また、各自治体の地方版総合戦略の策定に当たり、引き続きの各地商工会議所の協力を呼び掛けた。
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