日本・東京商工会議所、日本経済団体連合会、経済同友会の経済3団体は1月6日、都内のホテルで新年祝賀パーティーと共同記者会見を開催した。パーティーには、高市早苗首相や全国の経営者ら約1500人が出席。主催団体を代表してあいさつした日商の小林健会頭は、一段と高まる世界経済の不確実性や少子高齢化をはじめとした国内の構造的課題などに触れ、「官民を挙げてこれらを乗り越え、成長型経済への転換を成し遂げていくという強い意志が求められている」と指摘するとともに、「民間が主役となって日本経済をけん引していく。その強い志を今こそ行動で示す必要がある」と強調した。
小林会頭はあいさつで、成長型経済への転換に向け、優先して取り組むべき点として①賃金と物価の好循環に向けた賃上げモメンタムの定着②成長分野への投資促進③中小企業の「稼ぐ力」強化――の3点を提示。①については、「持続的な賃上げの実現には、サプライチェーン全体での付加価値向上や取引適正化が不可欠」と述べ、今年施行された「中小受託取引適正化法」の周知・徹底の重要性を指摘するとともに、「大企業と中小企業の共存共栄を実現し、社会全体で賃上げの流れを定着させていくことが肝要」と強調した。
②については、政府が大規模な公的投資の拡充・推進を行う方針を示したことに触れ、「海外情勢が流動的な今だからこそ、投資を国内、なかんずく地方に振り向け、盤石な経済基盤をつくり上げる好機だ」と呼び掛けた。
③については、「強い経済の実現には、中小企業の繁栄が不可欠」と述べ、企業の自己変革に向けた挑戦を後押しする事業環境の整備を政府に求めた。
高市首相はあいさつで、「税率を引き上げずとも税収が増えていく。そういう日本の姿をつくるのが私の目標だ」と述べ、特に世界共通のリスクに備える「危機管理投資」を官民で進めていく必要性を指摘した。賃上げについては、「事業者に丸投げしない。官公需などを含め、適正価格での発注できるよう進める」と決意を表明した。
祝賀パーティー後に行われた「経済3団体長共同記者会見」には、小林会頭のほか、経団連の筒井義信会長、経済同友会の山口明夫代表幹事が出席。小林会頭は、今年の日本経済の見通しについて、賃金上昇と設備投資を背景とした緩やかな回復基調の維持に期待を表明するとともに、「今年は成長型経済へ本格的に移行する一年にしなければならない」と強調した。
賃上げについては、日商調査において、2026年度に賃上げ実施予定と回答した企業のうち、「3%以上の引き上げを予定」とした企業が過半数を超えたことなどに触れ、中小企業における賃上げのモメンタムの高さを強調。一方、賃上げ実施予定と回答した企業の約7割が、業績改善を伴わない労働力確保のための「防衛的賃上げ」であったため、「来春以降の労働分配率が重要なポイント」との見方を示した。また、賃上げが物価上昇に追い付けない状況になることに懸念を表明し、政府に対して過度なインフレを防ぐ対策を求めるとともに、「賃上げを予定している企業が実質賃金をプラスにできるよう、力を尽くしていきたい」と意欲を示した。
