「笑う門には福来る」ということわざがあります。“笑い”は健康をもたらしてくれることをご存じですか。 近年、笑いの健康効果が注目されています。笑うと心拍数が上がって酸素の消費量が増え、脳の働きが活性化したり、血行が良くなったりする効果があります。特に、大笑いしているときは腹式呼吸になるので、通常よりも多くの二酸化炭素を吐き出し、その分新鮮な空気を取り込めることに加え、腹部周辺の筋肉も適度に刺激するので、筋力アップにつながります。
また、怒ったり悲しんだりしているときよりもリラックスしているため、自律神経の働きが整いやすく、自然治癒力が高まり、免疫機能が正常に働きやすくなると考えられます。笑うことで脳内にエンドルフィンという幸福感をもたらす物質が分泌されるので、ハッピーな気分になって、不安や緊張、痛みや苦しみの軽減も期待できます。
笑いの健康効果は、大学の医学部や研究機関などでもさまざまな観点から研究が行われています。また、入院患者向けに笑いの時間を設けている医療機関も存在します。
このように笑うことは良いことずくめなのですが、年齢とともに笑う回数は減っていく傾向にあります。もちろん個人差はありますが、些細(ささい)なことでも笑っていた子どもの頃と比べて、成人すると声を出して笑う回数は急減し、さらに年齢を重ねると「そういえば、今日は1回も笑っていない」ということも珍しくなくなってきます。
そんな自覚がある人は、普段の生活の中で意識的に笑うようにしてみましょう。落語やお笑い番組を見るのも良いですし、笑いは会話から生まれやすいので、積極的に外出して人に会い、楽しい話題で一緒に笑うのも良いでしょう。また、笑うフリをするだけでも心を軽くする効果があるといわれているので、鏡を見ながらつくり笑いをしたり、「わっはっはっはっは~」と大きな声を出したりすると、不思議と気分がスッキリしてきます。
お金も時間もかからない“笑い”のパワーで、健康で心豊かな毎日を手に入れましょう。
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