500と2027。今日の山梨そして甲府を語る上で欠くことのできない数字です。
武田信玄公の父親、信虎公が現在の甲府市に館を築いたのが、1519(永正16)年。その2年後に信玄公が誕生し、2021(令和3)年に生誕500年を迎えます。今年は開府500年を祝い、にぎわい創出の諸施策を実行してきました。年明けからは、信玄公生誕500年に向けてさらなるにぎわい創出のために知恵を絞り、準備を進めてまいります。
2027(令和9)年にはリニア中央新幹線の品川・名古屋間が開通予定です。これにより甲府と品川間は25分で結ばれ、山梨県経済の活性化が大いに期待されることから、県を挙げて将来像の策定に取り組んでいます。
甲府市を県都とする当県は、四方を富士山(世界文化遺産)、南アルプス(ユネスコエコパーク)、秩父連山(甲武信ユネスコエコパーク)、八ヶ岳連峰に囲まれた山紫水明の地です。昨年5月には「葡萄(ぶどう)畑が織りなす風景」と「星降る中部高地の縄文世界」が日本遺産の認定を受けました。自然に育まれた数千年の歴史と、そこから生まれた文化と伝統が、日本一の生産量を誇る果物(ブドウ、桃、スモモ)・日本ワイン・ミネラルウォーター・ジュエリーや日本酒、印伝、絹織物(甲斐絹)、和紙、硯(すずり)などの地場産業を生み出しました。当県経済をけん引する機械電子工業とともに、これらの地場産業を「山梨らしさ、山梨ならでは」の象徴として、一層発展させていくことが、私の大きな役割だと思っています。
私が会長を務める山梨中央銀行は、甲府市に本店を置く県内唯一の地方銀行です。1874(明治7)年に設立された銀行類似会社・興益社を引き継ぎ、1877(明治10)年、第十国立銀行として創業、今年で142周年を迎えました。ちなみに、初代頭取は当所初代会頭でもありました。当行の歴史とわが国の金融・貨幣史を伝える山梨中銀金融資料館では、日本最初の貯蓄預金通帳『興産金預り通』や甲州金をはじめとする貴重な資料を展示しており、全国から大勢の来館者をお迎えしております。
最後に私が常日頃大切にしている言葉を記して、私の横顔に代えさせていただきます。
『信を万事の本と為す』(当行所蔵の渋沢栄一翁直筆の書)、『感謝の心を忘れない』『関わる・変える・挑戦する』、そして、私の座右の銘である『堪忍は一生の宝』です。
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