日本商工会議所はこのほど、7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に、正社員の副業・兼業についてヒアリングした結果を発表した。副業・兼業について「積極的に推進している」は1・7%、「容認している」は25・3%だった。一方、副業・兼業を認めていないが、「現在検討している」は7・0%、「将来的には検討したい」は24・6%となり、「今後も検討する予定はない」は41・4%だった。
副業・兼業を認めていない理由としては、「社員の長時間労働・過重労働につながりかねないため」が67・6%で最多となった。「社員の総労働時間の把握・管理が困難なため」(49・4%)、「副業・兼業先で労働災害が起きた際に本業への支障が生じる恐れがあるため」(40・7%)が後に続いた。 他社の正社員を副業・兼業として受け入れているかについては、「すでに受け入れている」が9・0%、「現在検討している」が7・0%、「将来的には検討したい」が24・7%、「検討する予定はない」が59・3%となった。
ヒアリングした企業からは、「働き方改革実行計画の中で、副業・兼業の普及促進が図られていることを踏まえ、前向きに検討すべきと考えている」(一般工事)、「兼業を容認すると、条件の良いところの仕事を優先し、本業がおろそかになる可能性がある。その結果、当社の提供するサービスの質が低下することは避けたい」(商店街)といったコメントが寄せられた。
正社員の副業・兼業は現在、約7割の企業が認めていないものの、そのうち4割超は「現在検討している」「将来的に検討したい」という前向きな回答であった。ただし、社員の長時間労働や過重労働につながる恐れや総労働時間の把握・管理への懸念などがあり、実際の導入には課題も多いことが読み取れる。
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