日本商工会議所青年部(日本YEG)は、2019年11月7日から9日の3日間、長野県長野市で第37回全国会長研修会「信濃の國 ながの会議」(主催:日本YEG、主管:長野YEG、副主管:長野県商工会議所青年部加盟単会連合会)を開催した。今年度は388単会から1839人が参加し(単会出席率92%)、現在から未来へYEGの「輪」をつなぐべく、熱い思いをぶつけ合った。
全国会長研修会は、今年度の単会会長と次年度の単会会長就任予定者が共に、青年部の会長として研鑽(けんさん)を積み相互交流を図るために行われている事業。開会式で大日方敢(おびなたいさむ)大会会長(長野YEG)は「台風による水害により家や事業所を失った仲間もいるが、それを乗り越え、大会を開催することができた。出会いの先には成長があり、その先には成功が待っている。交流はもちろん、各単会が持つ課題や熱い思いをぶつけ合い共感し、リーダーとしての意識向上、資質を磨く場として成長する機会としてほしい」と開催への思いを語った。
続いて日本YEG田中暢之会長は「この研修会は、今年度の単会会長と次年度の単会会長就任予定者が引き継ぎを行い、また、全国のYEGの会長同士が交流を行う場である。これまで、“この国の未来を創るのは俺たちだ”という強い意志を持ち、各地のYEGと対話を重ねてきた。今後も交流と研鑚を積み、新たな発想をもって自企業を発展させ、地域経済の活性化を目指していかなければならない」と同研修会の意義を述べた。
また、来賓として太田寛長野県副知事と加藤久雄長野市長らが臨席。来賓の方々からも「地域経済を担う次代のリーダーが集い、直面する課題について議論を深め、研鑽を積まれる機会となり、各地域のさらなる発展につながることを期待する」とYEGに対し大きな期待が寄せられた。
その後、日本YEGの事業発表が行われ、ビジネスプランコンテストの1次審査通過者と政策提言の骨子の発表が行われた。全体研修では『これからの世界で活躍するリーダーの条件~Think different~』のテーマの下、株式会社コミュニカ代表取締役である山元賢治氏による、ビジネスにおける世界から見た日本と、日本から見た世界の視点の違いから、グローバル社会に対応した〝これからの世界〟で活躍できるリーダー論について講演があり、仕事をしていく上での覚悟など、多くの気付きを得ることができた。
翌9日は、第1分科会(次年度単会会長就任予定者)、第2分科会(今年度単会会長)、第3分科会(YEG担当事務局)、第4分科会(熱意あるYEGメンバー)に分かれ、活発な意見交換が行われた。
第1分科会は各地の次年度単会会長就任予定者が会長としての気構えを学ぶとともに、意気込みや不安など、同じ立場だからこそ語り合える胸の内をぶつけ合う機会となった。第2分科会は今年度の単会会長が上半期の活動を振り返りながら、今後のYEGの活動の課題およびその解決法や、10年後の未来について語り合い、交流を図る場となった。第3分科会では、各地YEG事務局員がYEG事務局の生産性向上をテーマに、事例研究やディスカッションなどを行った。第4分科会では、日本YEGの事業「ビジネスプランコンテスト」の講師である清澤正氏(NRI野村総合研究所上級コンサルタント)の講演や、信州そばの製造工場見学、城下町として約250年間統治されてきた同市松代町の歴史を学んだほか、全国市町村別生産量で2位を誇るりんごの若い世代の生産者が、未来に向けた独自のブランディングや商品価値の創生をどのように行っているかを知るための収穫体験を交えた研修などが行われ、参加メンバーは地域の特徴を存分に感じることができた。
今後も次世代のメンバーに「輪」をつないでいくことで、各地域の輝ける未来が待っているのではないだろうか。次年度の同研修会は、大分県大分市にて2020年11月18日から21日に開催される。今回のYEGの「輪」を、ぜひ大分の地につなげていきたい。
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