日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2月の訪日外国人旅行者が、新型コロナウイルス感染症の影響などを受け、前年同月比58・3%減の108万5千人と大幅に減少したことを発表した。2019年2月の260万4千人を約152万人下回り、5カ月連続で前年同月を下回った。
特に東アジア市場の減速が著しく、中国は前年同月比87・9%減の8万7200人、韓国は79・9%減の14万3900人、台湾は44・9%減の22万400人。香港は35・5%減の11万5600人だった。アジアではそのほか、マレーシアが27・4%減、インドが27・2%減、シンガポールが24・9%減、欧米でも、米国が20・8%減、英国が21・0%減、イタリアが20・3%減を記録した。
JNTOでは、「昨年は2月であった春節が今年は1月になったことの反動減に加え、新型コロナウイルス感染症が流行し、団体ツアーなどの販売が禁止されたため中国市場が減速するなど、東アジア市場において訪日外客数が前年同月を大幅に下回ったこと、東南アジア市場や欧米豪市場でも前年同月比20%以上減少した国があったことが、訪日外客数全体が前年同月を大幅に下回る要因となった」と分析している。
観光庁の田端浩長官は記者会見で、「新型コロナウイルス感染症の影響で、日本向けに限らず、世界中で旅行控えが発生した」と指摘。先行きについても「状況はさらに厳しくなる」との見方を示した。今後については、「国内の感染拡大防止こそが最大の支援策」と述べ、「事態が終息次第、反転攻勢に転じ、現場のニーズにしっかりと耳を傾けた上で、観光需要喚起のための官民を挙げたキャンペーンなどの効果的な支援策を検討・準備し、1日も早く実行したい」とコメントした。
最新号を紙面で読める!