鹿沼商工会議所(栃木県)は9日、鹿沼市に滞在するベトナム人技能実習生を対象としたサイクリングイベントを開催した。同イベントは同所が推進する自転車を核としたまちづくりの一環で、実習生にサイクリングで鹿沼の自然や食を楽しんでもらいながらSNS(会員制交流サイト)で情報発信してもらうのが狙いだ。当日は、募集定員の20人が参加。電動アシスト付き自転車やクロスバイクに乗車し、里山の自然やイチゴ狩りなどを楽しんだ。
同市に滞在するベトナム人技能実習生は、2018年10月末現在で約500人。多くは20代の若者で〝ものづくりのまち鹿沼〟をけん引する機械金属の工場に勤務している。彼らの日常的な〝足〟は自転車だ。
一方、同所はかねてより同市をサイクリングのまちとしてPRすべくサイクリングマップの作成、市内の商店へのサイクルスタンドの設置促進などを行ってきた。今回のイベントは、ベトナム人技能実習生に移動手段だけではない自転車の楽しみ方や鹿沼の魅力を知ってもらい、国内外に発信してもらおうと企画。市や鹿沼機械金属工業協同組合、鹿沼市国際交流協会、ブリヂストンサイクルの協力を得て実現した。
当日は青空の下、参加者は地元のレンタサイクル会社が提供した自転車に乗り、ソウルオリンピックで個人ロードレース部門に出場した鈴木光広さんと共にまちなかや前日光県立自然公園を巡った。参加者の多くは20日に帰国を控えていたため、卒業旅行のように楽しんだという。終了後は「楽しかった」「いい体験ができた」などの感想が寄せられた。
同所はこれを機に、サイクリングマップの多言語化やインバウンド向けの展示会出展などを検討し、サイクリングを核とした観光振興の仕組みづくりにさらに注力していく。
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